Guide

「インタレストマップ」のガイドページです。初めての方は、この「インタレストマップ【自己紹介版】」から始めることをお勧めします。

 

新しい自己紹介を紹介します。

 

1. 「インタレストマップ」を使った自己紹介の概要

ステップとしては、上記の通りですが、その前に、「今日呼ばれたい名前」を書いた名札を各自準備しておくと、スムーズに自己紹介のステップに入ることができると思います。

あるいはワークショップを始める前に「チェックイン(※)」を行い、名前だけは最初に紹介しあっておくとよいでしょう。

(※)場の本題に入る前に、参加者の状態や気持ちを共有する時間をとること


合計で1時間弱もかかるため、2時間程度のイベント的なワークショップの自己紹介として使うには少し無理があるでしょう。

例えば、多様なメンバーで取り組む長期的なプロジェクトのキックオフミーティングで行うなど、お互いをよく理解ししっかりと信頼関係を構築する必要がある場面で使うのが効果的です。

学校で新しいクラスメート同士でやってみたり、企業で組織やチームに変更があったタイミングで実施するのもお勧めです。長期にわたってチームワークが必要な研修などにもピッタリだと思います。

あらかじめ、テーブルの上に、模造紙をマスキングテープ等で貼り、その中央に、ポストイットやペンなどをおいておくとよいでしょう。

できればお菓子を一緒に置くようにすると、話も弾み場が和みます。


2. 「インタレストマップ」を使った自己紹介の進め方

【1】自分の興味関心ネタを書き出す(個人)

STEP 1:ポストイット(薄い黄色)の束とペン(青色)を一人ひとり手元に用意する。

STEP 2:ファシリテーターが「4つの問い」を順番に投げかけます。メンバーは問いに対する「興味関心キーワード」をそれぞれ3つ考え、ポストイット1枚につき1つ記入します(計12枚)。

回答時間は1問2分です。進め方のコツとしては、あまり時間をかけずタイムプレッシャーのある中、直感で思いついたものを書き出してもらう方がよいので、「問い」は1つずつ順番に出しながら進めるのがオススメです。


「4つの問い」は、ワークショップのテーマや目的、参加者の属性などを考慮して自由に変えることができます。また、「問い」の内容はあらかじめ参加者に分からない方がより楽しめると思います(このサイトを事前に参加者にお知らせするのもあまりお勧めできません)。

例えば、一般のビジネスパーソン向けには、以下の「4つの問い」が比較的どんな場面でも使いやすいと思います(スライドは4ページあります)。

答えは必ず以下の例のようにキーワード(単語)で記入します。アイドル、漫画、アニメ、場所、人、ゲーム、歌、食べ物などなんでもOKです。

「問い」によっては動詞でも名詞でも形容詞でも大丈夫。

稀に参加者の中には悩んでしまってペンが進まない方がいます。そういう時は、上位3つを思い出すというよりも、あまり深く考えずにふと頭に浮かんだものを記入するように、ファシリテーターが補足するとよいでしょう。事例をいくつか挙げるのも有効だと思います。

また、キーワードを書いたポストイットは後でメンバーと共有するので、“読める字”で書くようにメンバーに初めにお願いしておくことをお勧めします。

「4つの問い」に順番に答えていくと、1人あたり12枚の「インタレスト・ワード」が書かれたポストイットが出来上がっているはずです。


【2】「インタレストマップ(個人)」をつくる

次に、12枚のポストイットを使って個人の「インタレストマップ」を作ります。所要時間は2分です。

STEP 1:A3のコピー用紙を1人1枚手元に用意する。

STEP 2:キーワードが書かれた12枚のポストイットをA3用紙に自由にレイアウトする。

A3用紙にレイアウトする時、ファシリテーターの方は、「自分なりにポストイットに書かれた内容をみて配置を考えてみましょう」と声掛けすると効果的です。

また、それぞれのポストイットがあまり重なりすぎないように、声をかけましょう(この後のワークで支障がでます)。

ポストイットの並べ方にも個性や性格が表れるので面白いです。

このワークの目的は、バラバラに書かれた「インタレスト・ワード」同士の「つながり(意味付け、関連付け)」を、短い時間ですが、自分なりに考えてもらうことです(振り返りタイム)。

ワークショップのテーマや目的、「4つの問い」次第では、ここでじっくり内省する時間をとった方が効果的な場合があるかもしれません。

スティーブ・ジョブズの「Connecting The Dots」をご存知ない方は、ぜひ以下の有名なスピーチをご覧ください。「4つの問い」を考える上で参考になることでしょう。


【3】プチハートをプレゼントし合う(他者とつながる)

ここから先は、同じテーブルのメンバーと一緒に行うワークとなります。

STEP 1:個人でつくった「インタレストマップ」を全員が左隣の人に渡す。

STEP 2:ペンを青色から赤色に持ち替えて、手元に回って来た「インタレストマップ」をざっと眺める。

STEP 3:自分にとって気になるキーワードが書かれたポストイットを見つけたら、ポストイットの余白に小さなハートマークを1つだけ書く。

※1枚のインタレストマップ(個人)につき、制限時間は1〜2分程度。ハートマークをつけるポストイットは何枚でもOK。

※赤色のハートマークが一番きれいに見えるのは薄い黄色のポストイット。

STEP 4:ハートマークをつけ終わったら、さらに左隣の人にマップを回して1周するまで繰り返す。

ここでのコツは、「私も好き」「話を聞いてみたい」「詳しく知りたい」「なんか気になる」「面白い」「共感できる」など少しでも心惹かれるものがあれば、どんどんハートマークをつけていくようにしましょう。

ハートマークを付けあっている時に、「〇〇って何だろう、気になる」とか「〇〇、私も気になるー」といった声があちこちから聞こえてくるでしょう。

一周すると、上図のようなハートマークがたくさんついた「インタレストマップ」がそれぞれの手元に戻って来ます。

ワークショップの参加者が初対面同士だった場合、まだお互いに話したことがないにも関わらず、お互いの距離が少し縮まった感覚が得られていることでしょう。

中には早く会話したくてウズウズした気持ちになっている方がいるかもしれませんが、自己紹介はまだやりません。


【4】「インタレストマップ(グループ)」をつくる

個人の「インタレストマップ」が完成したら、今度はグループの「インタレストマップ」をつくります。

つまり、グループメンバー全員のポストイット全てを使って、模造紙全体にメンバー全員の興味関心の地図をつくるのです。

STEP 1:個人の「インタレストマップ」に貼られたポストイットを用紙から剥がしながら、順番に模造紙に貼る。

※意味的に近いポストイットはそれぞれ近くに貼る。

※自分が書いたキーワードを読み上げ、メンバーと共有しながら模造紙の上に貼っていくとよい。

STEP 2:ある程度まとまりができたらグループタイトルを付け、黄色以外のポストイットに書いてポストイットの塊の近くに貼る。

※10枚以上が1つのグループになるようでしたら、2つか3つに分割できないか考える。

※1枚だけ孤立するポストイットがなるべく少なくなるように分類方法を考える。

※境界をよりわかりやすくするために、まとまりごとに線で囲むとよい。

このワークの目的も、「メンバー間につながりをつくる」ことです。所要時間は10分なので、全員で手と口を動かしながらどんどん進めていく状況ができていればいいと思います。

コツとしては、あまり厳密にやり過ぎないということです。全員の合意は不要ですので、配置に関してはキーワードを書いた本人がよければよしとしましょう。

それぞれのグループのタイトルを書く時も、1つずつみんなで相談して決めていくよりも分担してとりあえず全部貼ってから(タイトルもつけてから)、話し合うほうが早いです。間違ったら修正すればよいのですから。

それから、難しいかもしれませんが、チームとしての性格や個性が伝わってくるようなユニークなタイトルがたくさん見つかるように分類するのがおすすめです(コンセプトページもぜひご覧ください)。

「仕事」「趣味」といったように2軸でグルーピングしてしまうのはあまり意味がありません。「酒好き」「車好き」のように興味関心を象徴するようなタイトルが並んでいたほうが、グループやチームとしての特徴がでますよね。

最後に、マップを俯瞰してメンバーのモチベーションが上がるようなチーム名を考えてみるのも面白いと思います。


【5】「インタレストマップ」を使って自己紹介をする

いよいよ自己紹介タイムです。一人ひとり順番に自己紹介していきます。

STEP 1:「インタレストマップ」を使って、「興味関心」をテーマに自己紹介をする(一人2分)。

STEP 2:残りの時間(3分)はQ&Aタイム。マップを見ながらフリートークを楽しみましょう。

STEP 3:終わったら、次の人が自己紹介を始める。全員が終わるまで繰り返す。

一人あたり合計5分なので、4人テーブルの場合は約20分の自己紹介タイムとなります。

自己紹介する方は「インタレストマップ」のポストイットを指やペンで示しながら行うと、聞いているメンバーはわかりやすいです。


3.「インタレストマップ」を使った自己紹介の効果

この手法の面白いところは、あらかじめ自己紹介で話す内容を準備していてもあまり意味がないということです。

たとえ、最初に個人で書く「インタレスト・ワード」が毎回すべて同じだったとしても、同じグループになるメンバーが変われば、当然ですがそれぞれのメンバーが書く「インタレスト・ワード」も変わります。その結果、グループでつくる「インタレストマップ」の形は毎回異なります。自己紹介では、「インタレストマップ」を使うことが前提となりますので、自己紹介で話す内容は同じにはならないのです。

自分の話したいことを一方的に話すのではなく、聞く側の立場にも配慮することで自己紹介の効果を高めることを狙っていますが、そのバランスについては話す本人が選ぶことができます(必ずしもハートマークがたくさんついたキーワードについて話す必要もありません)。